旅先で出会うその土地ならではの味は、ドライブに欠かせない魅力のひとつです。そこで今月号では、食欲の秋にちなんで“旅先で見つけたおいしいもの”に焦点を当てた特別企画をお届けします。これまでカートピアで訪れたお店の中から、おすすめのグルメ&スイーツをピックアップしました。取材に出かけて味わったスタッフが撮影裏話を交えながらその魅力をお伝えします。
注)新型コロナウイルス(COVID-19)の感染予防のため、営業時間・営業内容に変更が生じる場合があります。
7月に訪れた壱岐取材の目的のひとつが、最高級品のアカウニに出会うこと。壱岐では4月中旬から10月中旬がウニの漁期で、島内に約300人いる海女・海士が獲っているウニの大半がムラサキウニ。一方、夏場に獲れるアカウニは雑味がなく幻のウニと呼ばれています。祖母と母が海女だったという姉弟が営む「お食事処 みうらや」では、6月中旬〜10月末限定で提供される貴重なアカウニの生うに丼をいただきました。海女・海士漁で獲れた新鮮なアカウニを一つひとつかき落としてご飯に盛り付けていて、磯の香りを放つねっとりとしたウニは濃厚な甘みと余韻の残る旨みが最高!お値段は少々張りますが、一生に一度は食べておきたい、これぞ本物の生うに丼です。
お食事処 みうらや
長崎県壱岐市郷ノ浦町郷ノ浦188-1
TEL 0920-47-6797
営業時間 11:00〜21:00
定休日 不定休(うにのシーズンは無休)
※ご来店の際は要問合せ
http://www.ikiweb.com/miuraya/
豊後高田から足を延ばして訪れたのが、国東半島沖に浮かぶ姫島。塩田跡地を活用した車エビの養殖が盛んな島で、以前、活き〆車エビをお取り寄せしたことも。島内に車エビ尽くしの夕食を提供する宿があると知り、改めて訪れることとなりました。車エビの出荷時期は例年8〜12月頃。この時期であれば活き車エビの踊り食いが味わえるとのことでしたが、取材は3月だったので「姫島車えびのしゃぶしゃぶ」をいただきました。鮮度を保ったまま冷凍された車エビを解凍して、その出汁にくぐらせていただくもの。プリプリの食感や深い甘みは活きエビに引けを取らぬほど!次回はぜひ活き車エビの踊り食いにトライしたいです。
安西旅館
大分県東国東郡姫島村1485-1
TEL 0978-87-2034
https://www.japanesehotel-anzai.com/
愛媛県最南端・愛南町の集落・外泊[そとどまり]「石垣の里」は、石垣を積み上げた独特の景観から、かねてより訪れてみたかったところ。その道中、深浦漁港で見つけたのが「市場食堂」でした。地元の漁師が通う食堂で、例年春から初秋に水揚げされる「愛南びやびやかつお」が目当てでしたが、あいにく取材日は水揚げがなく、通年提供の「ふかうら真鯛のごまだれ丼」をいただきました。大葉とネギ、刻み海苔がたっぷりかかったご飯に、甘めのごまだれに漬け込んだ真鯛と生卵がのり、伊予[いよ]名物の鯛めしとはひと味違う丼でした。最近は全身トロと名高い媛スマ「伊予の媛貴海[ひめたかみ]」や春限定の「愛南サツキマス」、冬限定の「愛南かき」を使った定食も人気だそうです。
市場食堂
愛媛県南宇和郡愛南町鯆越166-4(漁協敷地内)
TEL 0895-73-2556
営業時間 7:00〜17:00
定休日 月曜、正月、お盆、地方祭
※市場休業日に合わせて休業
http://www.biyabiya.com/smarts/index/79/
極寒の12月下旬に訪れた層雲峡。毎年1月下旬〜3月中旬に開催される「層雲峡温泉氷瀑まつり」の準備たけなわの製作現場を取材後、温泉街の洋食店「ビアグリル キャニオン」を訪れました。外は吹雪にも関わらず店内は暖かでホッとしたのを覚えています。地元産食材を活かしたイタリアンと洋食メニューの中から、店主イチオシの上川町産の豚・渓谷味豚[けいこくみとん]と牛肉の合挽き肉を使ったハンバーグをいただくことに。ゴロンとした俵型のハンバーグはナイフを入れるとジュワーっと肉汁が溢れ、噛み締めるほどに甘みが広がります。フライドオニオンや愛別町のマイタケが照焼きソースに絡む本格派。当麻町産のお米「ななつぼし」も、もっちりと美味でした。
ビアグリル キャニオン
北海道上川郡上川町層雲峡キャニオンモール
TEL 01658-5-3361
営業時間 11:30~15:30(15:00LO)、17:30〜20:30(20:00LO)※変更の場合あり
定休日 火曜、水曜
※氷瀑まつり開催期間中は無休 ※メンテナンス、その他で臨時休業する場合あり
http://bg-canyon.com
国道140号(雁坂みち)を山梨県側から北に向かって上っていくと左手にある「民芸茶屋 清水」さん。ここでは全国でも珍しい猪豚料理を味わうことができます。以前は清水さんでも猪豚を育てていたのですが、現在国内で食用の猪豚を扱っているのは和歌山県すさみ町、兵庫県淡路島、群馬県上野村の3箇所だけ。その肉の特徴は猪肉の風味を持ちながら臭みがなく柔らかい口当たり。富士山の溶岩プレートで焼いた「いのぶたバーベキュー定食」はほかでは味わえない逸品です。冬季は見た目にもあったまる昔ながらのだるまストーブが迎えてくれます。
民芸茶屋 清水
山梨県山梨市三富川浦339-1
TEL 0553-39-2911
営業時間 11:00~15:00
定休日 水曜
奈良県桜井市に入り、国道169号を走っていくと、見えてくる大きな鳥居。日本最古の神社とも言われる大神[おおみわ]神社です。大物主大神[おおものぬしのおおかみ]が鎮まる三輪山の麓にあるこの神社の二の鳥居向かって左にあるのが「そうめん處 森正」。築100年の民家を改修した店内で、「三輪そうめん」や奈良の名物「柿の葉すし」がいただけます。実は、この辺りはそうめんの発祥の地。取材時は氷で冷やした「ひやしそうめん」が美味しい季節でしたが、これからの時期は、あたたかいつゆにそうめんを入れた「にうめん」もおすすめ。ほっこりと温まります。
そうめん處 森正
奈良県桜井市三輪535
TEL 0744-43-7411
営業時間 平日10:00~16:30
土日祝日9:30~17:00(状況により早く閉める場合あり)
定休日 月曜(不定休)、火曜
黄金色に輝く収穫間近の田んぼやコスモスが秋の訪れを伝えてくれた、10月の利根沼田望郷ラインドライブ。そば店激戦区のこの地で暖簾をくぐったのが「生そば 下山」でした。迦葉山弥勒寺[かしょうざんみろくじ]の門前に明治初期に創業。店先には昭和初期に使われていたおかもちや古い道具が置かれ、品書きはそばとそのお供のみ。最良の状態で提供したいからと1グループ4名まで。3代目主人は控えめながらもそばへの愛情が深く、美味いそばを提供することにかける意気込みは相当なもの。取材日は赤城深山の常陸秋そばを二八で。甘皮の淡い緑が残る細打ちを焼き味噌を溶いたつゆにくぐらせると、味噌の風味と香ばしさが広がり、新鮮な味わいでした。
生そば 下山
群馬県沼田市上発知町199-2
TEL 0278-23-9526
営業時間 11:30〜15:00(売り切れ次第終了)
定休日 火曜 ※入店は1グループ4名まで
下田中心部からクルマで5分ほど、閑静な住宅街の一角にある白壁の小さな洋菓子屋さん「Cakes KANON」。ここの看板商品は下田出身のシェフが考案した土鍋プリン。土鍋のふたを開けると彩り豊かな旬のフルーツが迎えてくれます。初めて食べる人は土鍋と果物というギャップに驚かされ、スイーツ好きならワクワクしてくること必至。フルーツの下には生クリーム、カスタードクリーム、そしてたっぷりのプリン!海産物で有名な下田ですがスイーツ好きならわざわざ出かけて味わう価値ある逸品です。写真はプリンアラモード4個分が入ったレギュラーサイズで土鍋は持ち帰ることができます。(さらに大型の土鍋に入ったラージサイズの土鍋は要返却です)
Cakes KANON
静岡県下田市西中7-26
TEL 0558-22-4808
営業時間 9:00〜19:30
定休日 水曜、毎月1回木曜
http://shimoda100.com/sweet/cakeskanon/
取材の2年前に初訪問した「くらしき桃子」は、岡山県産の旬の果物をふんだんに使ったパフェやケーキが自慢のカフェ。果物の中で特にブドウに目がない私は、ブドウパフェを注文したかったのですが時期的に叶わず断念。その2年後ブドウのシーズン真っ只中に「総本店」へリベンジ、念願のブドウパフェに出会えました。6月下旬〜12月下旬頃、岡山県産約15品種が入れ替わり一度に3品種を盛り込む贅沢なパフェ。ゼリーやシャーベットであっさり仕上げてあり、品種ごとの味の違いが存分に楽しめました。あまりの美味しさに翌年も再訪したほど!市内には他に3店舗あり、それぞれ違った内容のパフェを提供しているので食べ比べも楽しい。名産の白桃パフェもいつか食べてみたい味。
くらしき桃子 総本店
岡山県倉敷市中央1-3-18
TEL 086-454-6611
営業時間 10:00~18:00(11~2月は〜17:00)
※カフェのラストオーダーは閉店30分前
定休日 無休
http://kurashikimomoko.jp/
「ブルーシール」といえば沖縄に本店のあるアイスクリーム店。紅芋やサトウキビなど沖縄らしいフレーバーが有名で、その支店が、米軍基地に近く、横文字が並ぶ「福生ベースサイドストリート」(国道16号)にあります。巨大なアイスクリーム型のネオンサインとオレンジ×ブルーのロゴ看板がアメリカ西海岸の雰囲気を感じさせます。オーダーしたトリプルボールはワッフルコーンに3種のフレーバー(写真はサンフランシスコミントチョコ、紅芋、ストロベリーチーズケーキ)とミックスベリーをトッピングしたもの。見た目はボリューミーですが、もともと沖縄の気候に合わせて乳脂肪分を控えめに作られているのでさっぱりとした口当たりでペロリ。また近いうちに行きたいです。
ブルーシール福生店
東京都福生市福生2475
TEL 042-551-0539
営業時間 11:00~22:00
定休日 なし
https://www.blueseal.co.jp/shop/fussa.html
牧之原での茶摘み体験の後、製茶店の営むお茶カフェを探して行き着いたのがこちら。創業百余年の製茶問屋「前田金三郎商店」の直営店「茶町KINZABURO」です。県内各地のお茶を用いた自家製クリームを挟んだ「茶っふる」は忘れられない味。茶葉の特徴に合わせてクリームの配合を変えていてユニーク。取材後にJR静岡駅構内で販売されていると知り、何度かお土産に購入しました。一方で、夏限定メニューが抹茶の濃さによって3段階に分かれる抹茶かき氷。2番目の濃さを誇る特濃抹茶かき氷は、濃厚抹茶シロップの上に抹茶がかかる一品。抹茶の濃さもさることながら、氷に隠れるわらび餅や小豆、白玉を包んだあんこ玉、バニラアイスに大満足でした!
茶町KINZABURO
静岡県静岡市葵区土太夫町27
TEL 054-252-2476
営業時間 9:30〜18:00(日曜、祝日10:00〜17:00)
※2階イートインスペースは〜17:00
定休日 水曜
※夏季・年始休業あり
http://kinzaburo.com/
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