COCOSUBA

ここがSUBARUですVoL.93

COCOSUBA

スポーツカー独特の雰囲気と
質感を磨き上げた

新型SUBARU BRZの
インテリア


COCOSUBA ココ→ COCOSUBA ココ→

水平基調の造形のインストルメントパネル。助手席側は往来よりも一段と質感を高めた仕上がりとなっている。握る部分を後方に移動し、開閉性と機能性、質感を高めたドア内側のグリップ。カップホルダーなどを収めたコンソールボックスには表皮巻きを施したリッドを装着して質感を向上。ドア付け根付近にあるスピーカー下部はえぐり形状とすることで、乗降時に足がぶつかりにくいようにした。 水平基調の造形のインストルメントパネル。助手席側は往来よりも一段と質感を高めた仕上がりとなっている。握る部分を後方に移動し、開閉性と機能性、質感を高めたドア内側のグリップ。カップホルダーなどを収めたコンソールボックスには表皮巻きを施したリッドを装着して質感を向上。ドア付け根付近にあるスピーカー下部はえぐり形状とすることで、乗降時に足がぶつかりにくいようにした。

Photographs● 田丸瑞穂

Photographs● 田丸瑞穂

ふたつのテーマで
内装を刷新

安全性や機能性、組み込まれる様々な部品の要件をクリアしながら、デザイナーが描いたイメージを現実の形にしていくのが内装設計の仕事です。“スポーツカーを極める”ことを目標に開発された新型BRZの内装では、“ドライビングに集中できる環境”、“所有欲を満たす上質感”というふたつの開発テーマがありました。

“ドライビングに集中できる環境”で特に重視したのはインストルメントパネル(以下インパネ)の造形でした。“車両姿勢を直感的に感じられる水平基調の造形”と“道路情報をすばやく認知できる広い視界”を実現するため、従来車よりも低く水平に仕上げることに注力したのです。その際最も苦労したのはインパネ中央エリアのレイアウトでした。上から空調グリル、NAVIディスプレイ、ヒーターコントロールダイヤルが凝縮して並んでいることがお分かりいただけると思います。ディスプレイは従来型よりも2インチ拡大した9インチサイズまで収納できるスペースを確保しています。空調グリルやヒーターコントロールダイヤルは、機能や操作性を考えると無闇にサイズを小さくすることはできません。さらに外からは見えませんがこの奥にはエアバッグを制御する電子制御ユニットや、今回新たに搭載されたアクティブサウンドコントロールのスピーカーユニットが収められているなど、搭載するパーツは従来よりも大型化かつ増加しています。これらすべてを限られた空間の中にレイアウトするため、関連する7部署の設計者、デザイナーさらにはそれぞれのパーツのサプライヤーにも協力していただき、各搭載部品のサイズやそのつなぎ合わせの構造をミリ単位で削っていきました。機能が凝縮された新型BRZのインパネには、限られた空間の中で効率的にレイアウトする努力が詰まっています。

内装設計部 内装設計 第1課 上谷  昌也

内装設計部 内装設計 第1課 上谷 昌也

一方、“所有欲を満たす上質感”を高めるための取組みとしてはインパネ、コンソールボックス、ドアトリムのデザインを刷新しました。助手席側インパネは従来は比較的幅の広い加飾を設けていましたが、新型では運転視界を妨げないように輝度を抑えたサテン調シルバーの細いモール加飾を採用しています。助手席周りの造形には奥行きを持たせ、樹脂部分にマットブラック塗装を施すことで色味を統一し、陰影をコントロールして質感を高めています。また、インパネ上部のソフトパッド部分はウレタン注入量をチューニングすることでソフトな感触を維持しながら厚みを従来より2mm減らして軽量化、並びに助手席エアバッグの展開性能向上を図っています。実用性にも配慮し、グローブボックスは従来比25%増のクラストップの容量を備えています。

コンソールボックスには新たにリッド(フタ)を設定しました。従来は着脱式のカップホルダーを採用し、機能面では優れていましたが凹凸が多く質感にご不満を抱かれていた方もいらっしゃったかもしれません。今回は表皮巻きを施した観音開き式のリッドを設定したことでコンソールボックスの質感が大きく向上しています。A/T車ではアームレストとしてもお使いいただけます。M/T車はシフト操作がしやすいよう、高さを10mm低く設定しています。

ドアトリムは開閉時に使うグリップを従来よりも後方に移動し、底板を設けたカップ式とすることで、開閉操作力を軽減し、収納性を高めています。また、狭い場所での乗降性を配慮してドアトリム内蔵スピーカーの下部にえぐり形状を設け、足を通りやすくしました。

ご紹介してきたように新型BRZは内装デザインを一新していますが、シートに座っていただければすぐにBRZだと感じられます。それはスポーツカーとしての機能的なインテリアを先代からうまく引き継げた証拠だと思います。低い着座姿勢やサポート性の高いシート、適度に包まれ感のある足元まわりなど、乗り込んだ瞬間に感じられる“スポーツカー独特の雰囲気と上質感”をぜひご体感いただきたいと思います。

今月の語った人


上谷 昌也 内装設計部 内装設計 第1課

上谷 昌也

内装設計部 内装設計 第1課

愛知県に生まれ岐阜県で育つ。高校の時に硬式テニスを始め、島根県で過ごした大学時代には中国四国地区大会で3位入賞の実力を持つ。SUBARU入社後はテニス部に所属しつつゴルフも開始。この取材後11月にはアイアンの専門メーカー三浦技研の直営スタジオでフィッティングを受けるのを楽しみにしているそう。

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