タイヤは、唯一路面と接している部品です。重い車体を支えると同時に、「走る」「曲がる」「止まる」といった基本的な性能は、すべてタイヤを通じて路面に伝えられています。
トラブルを防ぐためには、定期的に点検することが大切です。
タイヤは、走行距離や時間の経過に伴い、劣化・消耗は避けられません。定期的にタイヤを点検することで、異常を早期に発見し対処することができ、事故などの思わぬトラブルを未然に防ぐことに繋がります。また、タイヤの寿命を延ばしながら正しい交換時期を教えてくれます。安全・安心なドライブのためにも、タイヤの定期的な点検を行ってください。
タイヤの「転がり抵抗」が大きくなりエネルギーロスから燃費低下につながります。
通常、空気圧不足ではトレッド両肩の偏摩耗、空気圧過多ではトレッド中央の偏摩耗が起こりやすくなり、タイヤの寿命を縮めます。
タイヤのたわみが増えるので、走行性能が低下します。タイヤ本来の性能を活かすことができません。
タイヤの空気は、1ヶ月で5%程度自然に抜けてしまいます。
適正空気圧は車種によって異なります。運転席側のドア付近または給油口に貼付された空気圧表示シールでご確認ください。
秋〜冬の期間はその他の期間に比べ、空気圧の低下率が高まります。それは、空気圧が気温に影響を受けるからです。
気温が低下し始める10月から1月にかけて注意が必要です。
残りミゾが新品タイヤの約半分程度になったのを境に、タイヤのブレーキ性能は徐々に悪化し、制動距離がグーンと伸びていきます。
タイヤのミゾが減っていると排水性能が低下し、雨の日にスリップしやすくなり、特に高速走行ではハンドルやブレーキが効かなくなる「ハイドロプレーニング現象」が起こりやすくなります。
走行前にタイヤの残りミゾをチェックしましょう。
残りミゾが1.6ミリになる目安としてスリップサインを設けています。
スリップサインが1箇所でも出ると使用してはいけないことが法律で定められています。
雨天下での高速走行時に発生する、水上滑走現象です。タイヤの接地面の前方から水の層がくさび状に進入し、その水の圧力で接地面が路面から浮き上がる現象で、特に摩耗したタイヤで発生しやすくなります。
●︎走行速度の違いによるハイドロプレーニングの実験 (タイヤ接地部をガラス越しに撮影)
(水深5mm、新品タイヤ使用)
走行速度 | 0km/h | 60km/h | 80km/h | 100km/h |
---|---|---|---|---|
接地面写真 |
タイヤは完全に |
タイヤはほぼ完全に |
タイヤが一部 |
タイヤはほとんど |
●︎空気圧不足
●リム幅が広すぎる
●空気圧過多
●リム幅が狭すぎる
●アライメントが不適正
●ミニバンのような重い車で起きやすい
偏摩耗を防ぐには、定期的なタイヤのローテーション(位置交換)が有効です。
タイヤの摩耗度合を均一化することで、交換時期を延ばすことができます。
5,000km走行を目安に行うことをおすすめします。
切り傷(一般的な外傷)
擦り傷(車体の干渉など)
ひび割れ(オゾンクラック)
ミゾ部の裂け(グルーブクラック)
膨らんでいる場合
へこんでいる場合
タイヤサイド部の放射方向に帯状のへこみができる場合があります。これは、内部の構造上でできるもので、安全上問題なく不良品ではありません。