基礎編 (5)低燃費タイヤについて

低燃費タイヤのラベリング制度とは

ラベリング制度は、グレーディングシステム(等級制度)に基づき、「転がり抵抗性能」と「ウエットグリップ性能」の等級分けを行い、ラベル表示するものです。 JATMA(一般社団法人日本自動車タイヤ協会)が業界自主基準として策定したもので、低燃費タイヤの性能が、ひと目でわかるようになっています。

低燃費タイヤとは

「転がり抵抗性能」および「ウエットグリップ性能」の両性能とも一定の基準を満たしたタイヤのみが、「低燃費タイヤ」の統一マークを表示することができます。
つまり、転がり抵抗性能が「AAA」「AA」「A」、かつウエットグリップ性能がd以上のものが低燃費タイヤに該当します。
転がり抵抗が「B」「C」、また安全性の面からウエットグリップ性能がdに満たない場合は、低燃費タイヤには該当しません。

  転がり抵抗性能 ウエットグリップ性能

転がり抵抗

走行中にタイヤが損失してしまう
エネルギー

転がり抵抗係数

タイヤの荷重に対する
転がり抵抗の比率

ウエットグリップ性能

路面がぬれた状態での
タイヤグリップ力
(制動時のグリップ力など)

転がり抵抗係数(RRC)【単位:N/kN】 等級 ウエットグリップ性能(G)【単位:%】 等級

低燃費
タイヤ

RRC≦6.5

AAA

155≦G

140≦G≦154

125≦G≦139

110≦G≦124

a

b

c

d

6.6≦RRC≦7.7

AA

7.8≦RRC≦9.0

A

低燃費タイヤ以外

9.1≦RRC≦10.5

B

   

10.6≦RRC≦12.0

C

Point

「転がり抵抗」と「ウエットグリップ」を表示する理由

一般的に、転がり抵抗とウエットグリップ性能は相反するもので、転がり抵抗を小さくすれば、濡れた路面での制動距離は伸びる傾向にあります。そこで、転がり抵抗を小さくしても、安全性が犠牲にならないように、ウエットグリップ性能も評価基準になりました。

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