冬は、欧州各地をスバルで転戦。
サポートカーに乗れるのは年功序列?
――毎年11月から始まる欧州転戦は、ほとんどクルマで移動だとか。
- 葛西:
- そうですね。冬の間、ヨーロッパを陸路で西へ東へ。試合が終わったら、次の会場までいつも5、6時間くらいクルマの中です。スバルのサポートカーに乗ったり、あとはバスに乗ったりとか。
- 伊東:
- 期間中は大きなバスを2台レンタルしていて、荷物用と人用と。でもスバルの方が全然ラクなんで、できればみんなそっちに乗りたい。
- 竹内:
- 乗り心地的にね。バスはこう、シートが90度!って感じで、あれは結構つらいよね。
――――好評のサポートカーですが、定員がありますよね。結局いつも誰が乗ることに?
- 竹内:
- 運転手をのぞけば、あと3人なんですが、だいたい葛西さんでしょ、伊東さん、それと僕。
- 葛西:
- スバルに乗る人は年功序列で決まる(笑)。清水、お前はまだ早い。
- 清水:
- 僕はすぐに遠慮して、バスに駆け込みます。迷うことなく(笑)。
- 伊東:
- ちなみに助手席はいつも葛西さん。レジェンドシートです。後部座席に僕と竹内。で、試合後は仲よくクルマの旅と。
――――ワンシーズンで何千キロと走りますよね。ときには険しい道なんかも?
- 清水:
- 所々ありますよね。
- 伊東:
- ほら、スイスのエンゼルベルクのあたり。ホテルが結構山の上にあって、チェーンを巻いてガシガシ登っていく感じ。スバル車って、ああいうときに頼もしい。
- 葛西:
- そういえば昔、どこかの雪道で動けなくなったことがなかった?
- 竹内:
- あれは荷物車。みんなで引っ張って脱出したやつ。サポートカーじゃないので、スバルさんご安心を(笑)。
- 清水:
- 実際、スバルのサポートカーのトラブルって…。
- 葛西:
- 聞かないな。使ってるのはレガシィですが、なかなかタフですよね。
車内は休息時間。悔しさを消化して、次の試合会場へ。
――――車内の時間が長いですが、みなさんどんな風に過ごされているんですか。
- 竹内:
- だいたい寝たり、音楽を聴いたり。みんな、カラダを休める方向にもっていきます。前の試合の反省とかは車内ではほとんど出ないよね。
- 伊東:
- だね。アドバイスとかもお互いしないし。
- 葛西:
- 悔しさは自分の内側へ。ひとりでハラワタ煮えくり返って、それで次の会場が近づいたら、ぽっと忘れる。これがいちばん。
――――若い清水選手はどうですか。ときには落ち込んだりしませんか。
- 葛西:
- こいつは成績が振るわなかったら、控え室の壁に穴をあけます。
- 清水:
- あけません(笑)。
- 葛西:
- まぁ、きかない。
- 清水:
- あけませんって(笑)。実際ひきずっているヒマもないんですよね。試合が終わってクルマに乗って翌日にはもう予選だから。早ければ中一日、いや、年末のジャンプ週間は中一日さえないときも…。
――清水選手の場合、バス移動が多いようですがやっぱり大変ですか?
- 清水:
- うーん。サポートカーみたいにはのびのびできないですね。シートが固いんで、下にマットをひいたりとか座り心地をちょっとでもよくします。
- 竹内:
- ちなみに欧州勢はすごくラグジュアリーなんだよね。
- 伊東:
- そう。たとえばオーストリアチームはキャンピング仕様のめちゃくちゃデカいクルマを持ってて、キッチンとかシャワーとか、それにカラオケもついてたり。
- 竹内:
- 日本チームはメンタル鍛えられてるから、少々辛くても大丈夫(笑)。
- 葛西:
- いやでもホント、日本チームはメンタル強いと思うよ、実際のところ。暗いヤツはいないし、全員前向き。みんな僕を見て育っているので。
- 伊東:
- ぜんぶ自分の手柄です、レジェンドは(笑)。
プライベートのクルマ選びは「かっこいい」ことと、もうひとつ…。
――――プライベートでのカーライフはどうですか。葛西さんはクルマ好きだと聞きますが?
- 葛西:
- 好きですね。スポーツカーに乗ることが多いです。それに乗るだけじゃなくて、ホイールやシートに凝ってみたりとか。キライな言葉が「純正」です(笑)。
- 竹内:
- 一緒にドライブしたりもしますよね。
- 葛西:
- だね、ときどき竹内を助手席に乗せて走ります。あと個人的には、実家のある下川町までとか、奥さんの実家の函館までとか、北海道を長距離運転するのが楽しいですね。竹内は、ひとりのときはどこ走ってるの?
- 竹内:
- 僕は長野なんで、軽井沢のアウトレットへ行くことが多いかな。まぁあんまり買わないんですが、単純にクルマで行くのが好き。車種はSUVですね。確か、清水もSUVだっけ。
- 清水:
- うーんそうですね。なんか、かっこいいなーって、それくらいの気持ちです(笑)。
――でもスタイリングは大事ですよね。みなさん、クルマを選ぶときの基準は、やっぱりまずは「かっこいい」ですか。
- 葛西:
- 僕は完全にそうですね。
- 伊東:
- そういえば免許取りたての頃は、インプレッサがかっこよくて好きでした。コーチの宮平(秀治)さんも大のインプレッサ好き。
- 葛西:
- スバルは何気にデザインがかっこいいと思う。あと高い安全性。
- 竹内:
- 葛西さんも安全性とか気にするんですね。
- 葛西:
- 気にしないのはお前だろ(笑)。こいつはハンドルを握ると性格が変わる例のタイプです。
- 竹内:
- そんなことないですよ(笑)。
- 葛西:
- まぁ、正直な話、昔はそれほど安全性に重きを置いていなかったんですけどね。結婚して家族を持って、やっぱり大事だなと思うようになりました。
- 伊東:
- 乗ってて安心ってことでいえば、サポートカーがスバルでよかったなというのはありますよね。ラリーといえばスバル。雪道なんかを走ることも多いし。
- 葛西:
- 悪路に強いからね。アイサイトとかも最近はあるけど、走りの基本的な部分がまずしっかりしていることが大事。
スキージャンプ男子日本代表からのメッセージをお送りします
SUBARU×SAJスペシャルインタビューです。
スキージャンプ男子日本代表(葛西紀明選手・清水礼留飛選手・伊東大貴選手・竹内択選手)の意気込みをご覧ください。