SUBARUの進化の道筋を辿る
【星々の軌跡】レガシィ アウトバック編トピック | 2024/11
30年の熟成を重ねた、クロスオーバービークルの先駆け
1994年の北米市場での発売以来、今年で30周年を迎えたレガシィ アウトバック。レガシィ ツーリングワゴンをベースに、SUVの優れた走破性と、乗り心地や高速走行性能といった乗用車の機能を融合した“クロスオーバー”という新しいジャンルの創造に挑戦したレガシィ アウトバックは独自の価値を磨き続けてきました。SUBARU車の進化の道筋を辿る本企画では、今回SUBARUのフラッグシップSUVと呼ぶにふさわしい存在として世界各地で高い評価を獲得しているレガシィ アウトバックの軌跡を振り返ります。
1st model 1994〜
クロスオーバーという新ジャンルの開拓
アウトドアレジャー人気が高まり、日本国内では2代目レガシィ ツーリングワゴンがワゴンブームを牽引していた1990年代の中頃、アメリカではSUVが大きな流行となっていました。当時のSUVは走破性が高いものの、トラックをベースにしているため乗り心地や燃費、そして走行安定性が課題でした。「これからのSUVは乗用車のような安全性や快適性が求められるはず」そう確信したSUBARUは、レガシィをベースに200mmの最低地上高と力強いデザインを身に纏ったアウトバックを開発しました。1994年に北米市場に投入されたアウトバックはアメリカやオーストラリアなどで好評を博し、乗用ワゴンとSUVの融合という革新的なアイデアで“クロスオーバービークル”という新しいジャンルを開拓。翌1995年に日本ではレガシィ グランドワゴンの名称で発売されました。アウトバックの成功に触発され、欧州プレミアムメーカーからも次々とクロスオーバーモデルが生まれ、新しいトレンドを生み出すきっかけとなりました。
- 「カートピア」 1997年1月号
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「特集:NY発。アウトバックの世界へ。」
レガシィ グランドワゴン(米国名アウトバック)でNYのマンハッタンからストロウズバーグを経由し、ポコノマウンテンズに着くツーリングを敢行
2nd model 1998〜
熟成を極め、クロスオーバーモデルの先端を走る
1990年代後半、ブランド志向のユーザーに欧州車が徐々に浸透しはじめ、自動車マーケットのグローバル化が進展していった時代。1998年に誕生した3代目レガシィは世界市場を見据え、“レガシィを極める”をテーマに走りや安全性、使い勝手など、クルマの本質を磨き熟成を重ねました。レガシィ グランドワゴンから改称し、2代目となるレガシィ ランカスターも、ワゴンパッケージのアドバンテージを最大限に活かしつつ、都市型SUVとして独自の魅力をさらに強化。ラフロードでの走破性を発揮する最低地上高200mmを確保しながら、全高を1550mmに設定し、国内のタワーパーキングにも対応するボディサイズを実現しました。1999年には、ステレオカメラの画像認識による運転支援システムを搭載した、アイサイトの前身となるADA(アクティブ・ドライビング・アシスト)を世界初搭載したレガシィ ランカスターADAを発売。そして2000年に新開発された6気筒エンジン「EZ30」を搭載したレガシィ ランカスター6を発売するなど、当時のSUBARUの最新の技術を採用し、進化を続けていきました。
- 「カートピア」 2000年8月号
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「最果の地。巡るグランドツーリング」
グランドツアラー、レガシィ ランカスター6で道北の大地をロングツーリング。天売国道、サロベツ原野、宗谷丘陵、宗谷国道を滑らかに走るレガシィ ランカスター6をレポート
3rd model 2003〜
感性に触れる、新しい価値の提案
ミニバンやコンパクトカーがマーケットの主流になっていった2000年代、クルマ本来の価値を求める人達を惹き付けるためにレガシィが出した答え、それは“感動性能”。新しい装備の数やエンジン出力など数値だけでは表せない、ドライバーの心に響く走りの気持ち良さを追求する“感性”の領域を重視したクルマづくりに踏み出しました。2003年5月に発売された4代目レガシィ ツーリングワゴン/B4に続き、10月にグローバルネームに改称され3代目となるレガシィ アウトバックが登場。高めのアイポイントによる開放感や、ゆったりとした乗り心地の良さに加え、軽量化をはじめとする技術革新による走りの性能と、よりスタイリッシュなデザインを手にすることで“クロスオーバースポーツ”という新しいコンセプトを体現しました。2008年の改良モデルでは、世界初となるステレオカメラのみでの予防安全機能や、運転負荷軽減機能を備えたアイサイトが搭載されました。
- 「カートピア」 2003年12月号
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「富士裾野 週末、ひとときの旅人になる。」
富士山を一望するべく朝霧高原を目指して、旅の相棒レガシィ アウトバックと48時間のエスケープ。写真は夕陽で赤く染まった富士の裾野にて
4th model 2009〜
グランドツーリング性能のさらなる進化
初代レガシィの誕生から20年。2009年に登場した5代目レガシィは、歴代モデルが磨き続けてきた性能をさらに磨き、“乗る人全てが豊かさを感じられるグランドツーリングカー”を目指し開発されました。レガシィ アウトバックは全幅を1820mm、全高を1605mmに拡大し、力強いスタイリングやゆとりある室内空間を実現。さらに新開発のチェーン式無段変速機リニアトロニックや、乗り心地や操縦安定性を向上させるクレードル構造マウントの採用などにより、走りや快適性など全ての性能の向上を図り、SUBARUの“フラッグシップSUV”としての存在感を強く印象付けました。2010年の改良モデルでは自動ブレーキで衝突回避をサポートするアイサイト(ver.2)を搭載。“ぶつからないクルマ?” のキャッチコピーを掲げた先進の予防安全性能や、戦略的な価格設定が好評を博し、幅広い多くのユーザーから支持を集めました。アイサイト(ver.2)の登場により、自動車メーカー全体での予防安全技術への取り組みが活発となり、安全性能の分野でも新しいトレンドを作ることとなりました。
- 「カートピア」 2009年6月号
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「新型レガシィ多角分析」
5代目レガシィシリーズ(レガシィ アウトバックは4代目)の発売を機に、PGMロングインタビューと実車走行レポートで、その走りを徹底検証した特集
5th model 2014〜
情緒的価値を高め、上質な大人のクロスオーバーへ
ツーリングワゴンが生産終了となり、アウトバックとB4の2モデル構成で2014年に発表された6代目レガシィ。SUBARUがこれまで追求してきた走行性能やアイサイトをはじめとする安全性能などの機能的価値の進化だけではなく、SUBARUのフラッグシップモデルにふさわしい、より豊かなライフスタイルを提供するために、デザインや走りの質感など情緒的価値を磨き上げました。レガシィ アウトバックは、SUVとしての機能性やタフさを残しながら、内外装に上質感を加えました。そして、ボディやサスペンション等あらゆる点を見直し、高い操縦安定性としなやかな乗り心地を両立した、感性に訴える滑らかな走りも実現。国内のSUBARUでは初となるハーマンカードンサウンドシステムをレガシィシリーズで採用するなど、上質な大人のクロスオーバーとしての存在感を高めました。
- 「カートピア」 2014年11月号
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「LEGACY 6th GENERATION」
機能性の向上に情緒的な価値も加えた6代目レガシィ(5代目レガシィ アウトバックをラインアップ)の進化をクローズアップ
6th model 2021〜
フラッグシップクロスオーバーとして進化し続けた30年
2021年にレガシィはアウトバックのみのラインアップとなり、現行モデルとなる6代目レガシィ アウトバックが登場。歴代モデルが培ってきた価値に、スバルグローバルプラットフォーム、新世代アイサイト、アイサイトXなど最新の技術を組み合わせることで、SUBARUのフラッグシップクロスオーバーSUVとしてさらなる進化を遂げました。内外装に上質感を際立たせた「Limited」と、撥水シートを装備しデザインでもアクティブなイメージを打ち出す「X‒BREAK」という2つのモデルを投入し、レガシィ アウトバックの世界観を広げました。初代モデル誕生以来、乗用車とSUVの長所を融合させた“クロスオーバーSUV”というコンセプト、高度な画像認識による運転支援システムなど、既存のカテゴリーを超え、レガシィ アウトバックが開拓してきた価値は、今や世界的なトレンドとして根付いています。
- 「カートピア」 2022年3月号
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「新しい季節を迎えに」
コロナ禍の中で発売された6代目レガシィ アウトバックに乗り込み、竹林キャンプでの過ごし方を紹介。撮影使用車のボディーカラーはオータムグリーン・メタリック
※こちらの記事は2024年秋号に掲載した内容です。