アウトドアライフアドバイザー・寒川一 × レイバック開発スタッフが語る
LAYBACK“くつろぎ”の方程式 Vol.04トピック | 2024/11
目次:
Vol.01:開発のねらい&バックグラウンド (齋藤 茂 商品事業本部 プロジェクトマネージャー)
Vol.02:“穏やかな乗り心地”を目指して (藤井 忠則 技術本部 車両開発統括部 主査)
Vol.03:デザインコンセプト“凛”ד包” (中野 徹 経営企画本部 価値づくり推進室 デザイン部)
Vol.04:“くつろぎ”“豊かさ”の原点にあるもの (寒川 一 アウトドアライフアドバイザー)
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レイバックに乗って変わった、私のクルマ観
いままでは、一方に1980年代の欧州車のようなノンアシストでアナログなクルマ、かたや、EVも含めて現代の最先端のテクノロジーを元に造られたクルマという二つの対極的なものがあり、そのどちらも選ぶことができるということ、それが今の時代に生きるクルマ好きの幸せだと思っていました。
しかし、レイバックに乗って“安全性を享受できる”ということは、従来の二元論と同じ領域で語れるものではないと気づきました。古い欧州車はリスクフルなもの。だから愉しいという言い方もできますが、クルマの場合は、安全であることに勝るものはないし、万が一事故に遭ってもクルマの中で家族が大けがをするとか亡くなるということはあってはいけないことです。そこに対してクルマが全面的にサポートしてくれるということを受け入れないという選択はありません。それぐらいレイバックの運転支援システムの完成度は高いものでした。
以前は、昭和生まれのクルマ好きとして、運転支援システムという現在の最先端の技術を突っぱねようという自分がいました。どこか、こういうものを受け入れることを“負け”のように感じていたのです。クルマ好きの仲間から「お前も終わったな~」と言われるようなものだと思っていたのですが、そうではないということが分かりました。
何かがあったときということを考えると、クルマは単なるファッションとは違うのです。今の時代、街のいたるところにAEDが置いてあるということと同様に、人命に関わることに、技術がすべて集約されているということがレイバックに乗って分かりました。クルマがテーブルや家電品と決定的に違うのは“人が命を委ねるもの”であること。Aピラーの三角窓も、操作性が良いということも、その先にあるのは安全ということです。安全はイコール“豊かさ”でもあるし“幸せ”でもある。それを否定できる人はどこにもいないでしょう。クルマはやっぱり、生まれたときからそこにいかなければいけないモノだったんだと感じました。そこに至るプロセスとしての古いクルマはやはり好きですが、それに乗る際には、整備やメンテナンスをしっかりして、より注意してリスクを覚悟して乗らなければならないし、一方で、運転支援技術がドライバーを慢心させるものであってはならないと思います。その意味で、運転の主体を人間においたSUBARUのアイサイトは良い進化をしていると思います。開発に携わったSUBARUのみなさんが、ちゃんと“クルマ”という命題に向き合って熟考したからこそ、ここに至ったのだと思います。
火は、人の心を鎮静させる作用と興奮させる作用の両極端の効果を持っています。焚き火のような小さな火は人を穏やかな気持ちにしますが、神事や祭りで使われるような大きな火は、人をドキドキさせ興奮させます。さらに、それ以上になると人の手におえないもの=火災になり、人の命に関わるものになります。だから、焚き火はコントロールできる範囲にあることが絶対条件です。自分の手中にある炎だからこそ、五感を解き放ってリラックスすることができるのです。
クルマにおける“くつろぎ”や“豊かさ”も、原点は同じだと思います。何よりも人の命を大切にというフィロソフィーを持ってクルマに向き合ってきたSUBARUだからこそ、その確かな安全技術という礎の上に成り立つ“LAID BACK”な時間を提供することができたのではないでしょうか。
Photographs●海老根里実
レイバック、くつろぎの空間
インテリアデザイン
ブラックとアッシュカラーのコントラストで明るく華やかな雰囲気を演出したインテリアデザイン。アッシュにカッパーのステッチを組み合わせ、トリム加飾とファブリックの黒い部分の織物にほんのり青みをミックスして表情をつくり、豊かで華やかな空間に仕上げています。同じカラーコーディネイトで、さらに上質な仕立てと滑らかな触感を持った本革シートもメーカー装着オプションで設定しています。
ハーマンカードンサウンドシステム
オーディオブランド、ハーマンカードンの10スピーカーシステムを標準装備。圧縮音源をオリジナルに近づけて再生する「Crari-Fi」などの最新技術も採用し、全席の乗員に臨場感あふれるサウンドを届けます。
“チームは家族”
レイバックの開発に携わったSUBARUの開発スタッフ。開発時には苦楽を共にし、車両が完成してからもレイバックでSUBARUが提供する新しい価値を紹介するために、寝食を共にしながら全国各地を巡り歩いてきました。その過程で生まれたのが“チームは家族”という言葉。その大勢の家族を代表して、当特集では3名の方にご登場いただきました。
Photographs●福永仲秋
※こちらの記事は2024年秋号に掲載した内容です。