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アウトドアライフアドバイザー・寒川一 × レイバック開発スタッフが語る

LAYBACK“くつろぎ”の方程式 Vol.02

トピック | 2024/11

カートピア 森に囲まれたキャンプ場で焚き火を囲みながら座り、語り合う寒川一さん、齋藤茂さん、藤井忠則さん、中野徹さん。後ろにはレヴォーグ レイバックが停まっている | SUBARU

何気なく乗って気持ち良い


カートピア 木々に囲まれた道を走るレヴォーグ レイバック | SUBARU

寒川:私の世代だとSUBARUと言えば、ボクサーエンジンやターボチャージャーなどのメカニズムを装備していてパワーの出せるスポーティなクルマというイメージがあるのですが、レイバックはもっと自然体で、メカニズムのことなどを意識しなくても何気なく乗って気持ち良く運転できるように感じました。でも、SUBARUですから、その背景にはやはり高速道路の合流など必要な場面ではアクセルを少し踏むだけで十分な加速を得られるという、懐刀(ふところがたな)を持っているような安心感があるんです。

カートピア レヴォーグ レイバックの助手席に座る、株式会社SUBARU 技術本部の藤井忠則さん | SUBARU

藤井:私たちのクルマづくりの特に走りの部分にはちょっと頑固な部分というか信念がありまして、足回りはかたく、ステアリングはニュートラル位置をしっかり出し、手ごたえを感じられるようなフィーリングを重視する傾向があるんです。でも、レイバックの場合は“くつろぎ”を目指すということで、足回りはしなやかに、ステアリングフィールもだいぶスッキリとさせました。

SUBARU車は“操縦安定性”と“乗り心地”を追求して開発をしていますが、メカニズム的にはこの二つの要素は両極端にあって相反するものです。これまではスポーツ系、アウトドア系というクルマのキャラクターに合わせて、どちらかと言えば操縦安定性の方向性に振った、ドライバーが運転を愉しめるクルマづくりをしてきました。ただ、今回は“くつろぎ” “ゆったり感”が狙いでしたから、改めてその狙いを実現するために、どんなセッティングにすれば良いのか、いろいろと議論を重ねました。その結果、運転しているドライバーだけでなく、乗員全てが移動空間でくつろげる“穏やかな乗り心地”をめざして開発し、操縦安定性と乗り心地のバランスという点では、SUBARU車のラインアップの中で一番両立できているクルマに仕上げました。

カートピア 森の中で焚き火に使う小枝を集める寒川さん、藤井さん、中野さん、齋藤さん | SUBARU
焚き火で燃やすものはできるだけ現地にあるものを使いたいというのが寒川さんの思い。今回はキャンプ場の許可を得て、エリア内の森に落ちていた枯れ枝を拾い集めた。

寒川さんが“何気なく乗って気持ち良く運転できる”とおっしゃったように、開発部門においても、何も考えず、先入観なく乗っているうちにいつの間にか200㎞も走っていたというようなクルマを追求したい、と話していました。また、“SUBARU車であることは懐刀を持っているよう”とのコメントをいただきましたが、SUBARU車はどんなコンディションの道でもドライバーの意思に忠実に、安心して運転していただけるということが大前提としてあります。レイバックも“都市型SUV”とは言いつつも、さらに行動領域を拡張できるクルマに仕上げています。街中のオンロードだけでなく、このキャンプ場のようなラフロードまで足を延ばしたときでも、しっかりと走ることができます。

カートピア レイバックを運転しながら語る藤井さん、寒川さん。 | SUBARU

寒川:自然なフィーリングという点では、アイサイトの運転支援機能にも驚きました。制御があまりに人間的なので、使っていて違和感がなく、アイサイトにアシストされて運転していても同乗者はまったく気づきません。何度も何度もトライ&エラーをし、試験走行を繰り返して煮詰めていった感じがしました。今回は、渋滞には遭っていませんがアイサイトがあれば渋滞も苦にならないだろうし、香川県にある実家までの長距離ドライブも楽になるだろうなと思いました。

カートピア 緑に囲まれたキャンプ場で語る株式会社SUBARU 技術本部の藤井忠則さん | SUBARU

藤井:実はそこが私たちがこだわったところで、アイサイトのクルーズコントロール制御においては、機械に操られている感じがしない有機的な動きを追求しました。技術的にはもっと機械が運転に介入することもできますが、そうすると最終的には機械任せの自動運転になってしまいます。あくまでも運転の主体はドライバーであり、そのうえで同乗者にも走りの愉しさを提供できなければSUBARU車ではないと考えます。ドライバーや同乗者に違和感を与えるような介入をせず、一方で万が一のときにはしっかりと助ける。そこが難しいところです。

カートピア 焚き火を起こしながら話しているアウトドアライフアドバイザーの寒川一さん | SUBARU

寒川:本当にゆとりをもってリラックスして運転しようと思うのなら、その背後に万が一のときにも守ってくれるという実力がないと、演出としてのゆったり感が本当のリラックスにつながりません。それは裏返すと表面のゆったり感の奥底に不安が横たわっているみたいなものだからです。レイバックには、このクルマなら安心できるという信頼感があるからこそ、心からのくつろぎが得られるのではないでしょうか。

カートピア  | SUBARU

ラフロードでも安心

キャンプ場内のすべりやすい凹凸のある登坂路にて

カートピア 急勾配の坂 | SUBARU

「こういう状況でも難なくコントロールできるのは、さすがSUBARUと感じさせてくれるところです」(寒川)

「足回りはしなやかに、ステアリングはすっきりと仕上げていますが、200㎜の最低地上高を確保し、SUBARUのシンメトリカルAWDを装備していますから、こういったラフロードでも安心して運転していただけます」(藤井)

「“穏やかな乗り心地”を目指して開発し、操縦安定性と乗り心地のバランスという点では、SUBARU車の中で一番両立できているクルマに仕上げました」

カートピア 焚き火にあたりながら語る、株式会社SUBARU 技術本部の藤井忠則さん | SUBARU
藤井 忠則

技術本部 車両開発統括部 主査

車両の開発全般を統括。特に性能面の開発指揮を行っている。これまではレヴォーグ、WRX、BRZなどスポーツ系のモデルを担当。レイバックでは、操縦安定性、走行性能など走りに関係する性能開発全体を指揮した。

Photographs●海老根里実

※こちらの記事は2024年秋号に掲載した内容です。

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