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初めてのモータースポーツ観戦ガイド

トピック | 2024/05

カートピア 初めてのモータースポーツ観戦ガイド | SUBARU

モータースポーツ、いろいろあるけど何を観たら良いか迷っている方におすすめしたいのが、「TOYOTA GAZOO Racing GR86 BRZ Cup」。(以下GR86/BRZ Cup)その理由は、他のモータースポーツと比べてレースの時間は短いながら白熱したバトルやドラマが楽しめる点。また、ドライバーとの距離も近いので憧れのドライバーにサインをもらえたり、記念写真が撮影できたりと、真剣なレースとアットホームな雰囲気が味わえるのもこのレースの魅力です。

今回は2023年、東京スバルのチームから参戦し、シリーズチャンピオンを獲得したTeam Takutyの代表兼東京スバルレーシングのドライバーを務める井口卓人選手、千葉スバルのチームからドライバーとして参戦している久保凜太郎選手。さらに東京スバル、千葉スバルでそれぞれのチームをサポートするスタッフに取材し、さまざまな視点からGR86/BRZ Cupの魅力を語っていただきました。

TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cupとは

カートピア サーキットを走る88号車東京スバルレーシングのSUBARU BRZ | SUBARU
カートピア サーキットを走る87号車千葉スバルレーシングのSUBARU BRZ | SUBARU

TOYOTA GR86/SUBARU BRZのワンメイクレースです。参戦車両は登録ナンバー付きの「GR86 Cup Car Basic」または「SUBARU BRZ Cup Car Basic」。プロドライバーがエントリーできる “プロフェッショナルシリーズ”と、アマチュアドライバー向けの“クラブマンシリーズ”の2シリーズ制で、“プロフェッショナルシリーズ”には、SUPER GTに現役で参戦するトップドライバーも多くエントリーしています。決勝レースは約45㎞の距離で争われるスプリントレースです。

SUBARUは大会運営をサポートするとともに、STIがサービスチームを派遣し「SUBARU BRZ Cup Car Basic」で参戦するユーザーを支援しています。

※スプリントレース:基本ドライバー交代なしで争うレース。

初めてのモータースポーツ観戦におすすめ
ワンメイクレースGR86/BRZ Cup のここが面白い!

手に汗握る、トップドライバー同士の激しいバトル

井口: SUPER GTやスーパーフォーミュラといった国内モータースポーツのトップカテゴリーで活躍しているドライバーたちとの真剣勝負が見られるのが魅力です。またこのレースでは、プロだけでなくアマチュアドライバーも多く参戦していて、アマチュアドライバーがプロカテゴリーに挑戦する機会があるというのも面白いですよね。

カートピア 東京スバルレーシングの井口卓人選手 | SUBARU
井口 卓人 Takuto Iguchi No.1 | Team Takuty 東京スバルレーシング
1988年生まれ。福岡県出身。2014年から現在のGR86/BRZ Cupの前身、86 BRZ Raceに参戦。2023年からチーム代表として、Team Takutyの運営を担当する傍ら、東京スバルレーシングのドライバーとして自らハンドルを握る。2023年はシリーズチャンピオンを獲得。

久保: 若手がベテランドライバーに勝てば未来が拓ける可能性があるというのも面白いですし、夢がありますよね。ワンメイクレースは、マシンの性能差が少なく、セッティングの幅が狭いので、ドライバーの腕が大事。0コンマ何秒の戦いが繰り広げられています。

カートピア 千葉スバルレーシングの久保凜太郎選手 | SUBARU
久保 凜太郎 Rintaro Kubo No.87 | Team Takuty 千葉スバルレーシング
1993年生まれ。東京都出身。GR86/BRZ Cupでは、2013年の86 BRZ Raceスタート時から参戦。2020年には、SUBARU BRZとしては史上初のシリーズチャンピオンを獲得。2023年からは千葉スバルレーシングのドライバーとしてハンドルを握る。

気軽で近い! フランクな雰囲気はこのレースの最大の魅力

石井: レース時間も短いので、気軽にサーキットに行って、初心者がレースの雰囲気を楽しむにはおすすめですね。このプロジェクトに関わるようになって驚いたのは、ドライバーとファンとの距離の近さ。他のレースでは憧れのドライバーにサインをもらったり、写真を撮ったりするのは難しいんです。だけど、このGR86/BRZ Cupならドライバーもチームのテントに居るので、気さくにサインや記念撮影にも応じてくれる。ほかのレースではなかなか見られないフランクさがよいですよね。

カートピア 東京スバルの石井純平さん | SUBARU
石井 純平 Junpei Ishii
東京スバルレーシングのメンバーとして、自社SNSを担当。

遠山: 10数周程度の短い周回数の中で毎回必ずドラマがあるんです。私もこのプロジェクトに携わって初めてサーキットに足を運んだのですが、思わぬ展開やちょっとしたハプニングで優勝が転がり込むようなレースを経験してからはスタッフの誰よりもGR86/BRZ Cupにハマってます。

カートピア 千葉スバルの遠山奈緒さん | SUBARU
遠山 奈緒 Nao Tohyama
千葉スバルレーシングのメンバーとして自社SNSでの発信やイベント企画を担当。

SUBARUファンなら、いつでも誰でもWelcome!

吉田: ファンが一丸となってレースを応援できるのも楽しいポイントです。SUPER GTのSUBARUファンシートのように、SUBARUのモータースポーツファンって熱い方が多く、みなさん親切なので、初心者でレースのことがわからなくても近くに居る人に聞けばなんでも教えてくれますし、その後SNSなどでファン同士がつながって仲間の輪が広がるというケースも。

カートピア 千葉スバルの吉田和弘さん | SUBARU
吉田 和弘 Kazuhiro Yoshida
千葉スバルレーシングで、ディーラーメカニックのサポートを行うほか、現場で感じたことをまとめた「チームリーダー吉田の参戦レポート」を毎戦執筆。

石井: 千葉スバル、東京スバルでは、レース開催時に店舗でのパブリックビューイングも行っています。千葉スバル、東京スバルの店舗がお近くにある方は、まずパブリックビューイングに足を運んでみて、それからサーキットに出かけても良いですね。

もっとレースを楽しむためのツボ

レース戦略や後続集団の駆け引きにも注目

井口: GR86/BRZ Cupは、バトルの激しさに注目してほしいです。特にスタート時はたくさんのマシンが混走しているのでストレート、コーナー、どの位置で観てもクルマが密集して走っていて、迫力があります。

カートピア たくさんのマシンが走るGR86 BRZ Cup | SUBARU

久保: 後続集団の走りにも注目してほしいですね。バトルが最も白熱しているのは後続集団の争いなんです。トップ集団は2~3周走りながら戦略を練るのですが、後続集団を走る人たちはひとつでも上の順位を目指すためにみんな必死なので、前を走るマシンに追いついた瞬間にコーナーで抜きに行くなどかなりエキサイティングなシーンが観られます。

カートピア たくさんのマシンが走るGR86 BRZ Cup | SUBARU

井口: ドライバーのキャラクターを見るのも楽しいと思います。自分はチャンスが来たら仕掛ける派なんですが、久保選手はガンガン攻めて熱い走りを展開するタイプ。

久保: 推しのドライバーとかチームを見つけると楽しさが増しますね。このドライバーの走りが熱いからとか容姿がカッコいいからとか推す理由はなんでもいいと思います。

カートピア 2024年シーズンのレーシングスーツを着た久保凜太郎選手と井口卓人選手 | SUBARU
2024年シーズンのレーシングスーツ。デザインは久保選手が担当。(画像提供:益田和久)

メカの経験と確かな作業が勝敗を左右する

大澤: 各チームのタイム差に注目するのも面白いです。ドライバーの腕も大事なのですが、タイヤの空気圧もタイムに大きく関係してきます。わずかな空気圧の違いがレースの勝敗を左右するので、天候や気温も踏まえた上で作業を行うようになるんです。

カートピア 東京スバルの大澤充弘さん | SUBARU
大澤 充弘 Mitsuhiro Osawa
東京スバルレーシングで、ディーラーメカニック選考の審査員を担当。メカニックのサポートも行う。

吉田: レースの現場で経験を積んだメカニックは、お店に戻ってお客様のクルマを整備する際にも、空気圧やホイールナットの締め付けトルクのひとつに至るまで、その重要性を理解した上で従来よりも意識的にひとつひとつの作業を行うようになります。

カートピア レース前に作業を行うメカニックの様子 | SUBARU
ピットで作業を行うメカニック。
カートピア 2023年12月に行われた合同イベントの集合写真 | SUBARU
2023年12月、東京スバル三鷹店で開催された合同イベントの様子。(画像提供:東京スバル)
カートピア 2023年12月に行われた合同イベントの写真 | SUBARU
2023年12月、千葉スバル新港店で開催された合同イベントの様子。(画像提供:千葉スバル)

遠山: 2023年末、それぞれの店舗で東京スバル、千葉スバルの合同イベントを開催したのですが、延べ200名のお客様がいらっしゃいました。GR86/BRZ Cupへの参戦を始めてから濃いファンが圧倒的に増えたと感じています。ファンの方からの発信を機に、千葉スバルのファンを意味する「チバリスト」という言葉も生まれ、ファン同士のネットワークはじわじわと広がりつつあります。 

カートピア モータースポーツ観戦アイテムの一部 | SUBARU
レース観戦時は、SUBARUブルーのアイテムを身に着けて楽しく応援しよう!

吉田: メカニックにとってもレースの場で経験を積むのは、貴重な体験です。メカニックが目を輝かせながら作業する様子を目にしたときは嬉しかったです。スタッフの笑顔とお客様の笑顔を目的に活動を行っているので、両方が叶ったときは感動しました。

野望は、GR86/BRZ CupのスタンドをSUBARUブルーで染めること!

ここに集え、SUBARUファン

井口: 今シーズンはゼッケンナンバー「88」ではなく、「1」を背負って戦います。これまで「1」を付けた車両は連覇できないというジンクスがあるため、昨年付けていた「88」を付けるか「1」を付けるか迷ったのですが、東京スバルのXでファンのみなさんから今シーズンのゼッケンナンバーを募ったところ最も得票数が多かったので、ジンクスを跳ねのけて2連覇できるよう頑張ります!

カートピア 久保凜太郎選手と井口卓人選手のツーショット | SUBARU

久保: 昨シーズン、後半はよかったのですが、前半の2戦で苦戦しました。今年は前半からよいレースができるよう全力で戦っていきます。あとは井口選手と1・2フィニッシュでゴールするのも目標です。今後の野望は、一度でいいからスタンドをSUBARUファンで埋め尽くすことです。

初心者もレースファンも、気軽にサーキットに遊びに来てください

石井: まずは連覇を目指したいですね。東京スバルのファンも昨年以上に増やしていければと思います。今シーズンもレース開催日には千葉スバル、東京スバルの店舗でパブリックビューイングを行います。みなさんからの声援が励みになりますので今年も応援よろしくお願いいたします!

カートピア 東京スバルの大澤充弘さんと石井純平さん | SUBARU

遠山: 今年はさらに「お客様に楽しんでいただける場」を増やしたいと思います。昨年以上に活動の幅を広げていく予定なので、お楽しみに! SUBARUやレース好きな方ならどなたでも大歓迎なので、気軽にサーキットにも足を運んでいただければと思います。 

カートピア 千葉スバルの吉田和弘さんと遠山奈緒さん | SUBARU

2024年シーズンにSUBARUが参戦しているその他のモータースポーツ

SUPER GTシリーズ

カートピア SUPER GTに参戦しているSUBARU BRZ GT300 | SUBARU

市販車に改造を施したGT(Grand Touring)カーで争われるサーキットレース。国内最大級の人気を誇り、多くの観客を集めています。最大出力の違いでGT500クラス(白いゼッケンとライト)、GT300クラス(黄色いゼッケンとライト)の2つのクラスのマシンが混走します。SUBARUは、GT300クラスに、#61「SUBARU BRZ GT300」で参戦しています。

●参戦体制
チーム総監督:小澤正弘
監督:澤田稔(R&D SPORT)
チーム運営:R&D SPORT
ドライバー:井口卓人選手、山内英輝選手

ニュルブルクリンク24時間耐久レース (NBR)

カートピア ニュルブルクリンク24時間レースに参戦しているSUBARU WRX NBR CHALLENGE | SUBARU

ドイツ・ラインラント=プファルツ州アイフェルで開催される『第52回ニュルブルクリンク24時間耐久レース』のSP4Tクラスに、SUBARU WRX NBR CHALLENGEで参戦。全国のSUBARU販売店から選抜された精鋭8名のメカニックがチームに参加し、レースをサポートします。このレースは一周約25㎞のニュルブルクリンク複合コースで開催される24時間の耐久レースです。24時間でどれだけ長い距離を走れるかを競います。

*SP4Tクラス:排気量2,000cc以上、2,600cc未満のターボエンジン搭載車のクラス

●参戦体制
チーム総監督:辰己英治
監督:沢田拓也
技術監督:渋谷直樹
ドライバー:カルロ・ヴァンダム選手、ティム・シュリック選手、佐々木孝太選手、久保凜太郎選手

全日本ラリー選手権(JRC)

カートピア 全日本ラリー選手権に参戦しているWRX S4 | SUBARU

日本最高峰のラリー競技です。ターマック(舗装路)、グラベル(未舗装路)など、開催地ごとに特徴をもったスペシャルステージ(SS)が設定され、参戦車両は一台ずつタイムアタックして合計タイムで勝敗を競います。タイムアタックの前に事前走行(レッキ)を行い、助手席に座ったコ・ドライバーがコースの特徴や形状を記した「ペースノート」を作成します。本番ではコ・ドライバーがペースノートを読み上げ、ドライバーがタイムアタックします。SUBARUは、最上位のJN1クラスにWRX S4でシリーズ参戦する新井敏弘/井上草汰のチーム運営のサポートを行っています。また、SUBARU販売店から選抜されたメカニックが協賛選手の競技車両のメンテナンスサポートを行います。

スーパー耐久シリーズ(S耐)

カートピア スーパー耐久シリーズに参戦しているSUBARU BRZ | SUBARU

昨シーズンに引き続いて#61「Team SDA Engineering」でST-Qクラスにシリーズ参戦しています。将来の電気自動車も含めた市販車への技術的なフィードバックを目的とした活動にシフト。シーズン途中からは、新マシンを導入し、各種将来技術を織り込みながらレース現場で鍛え、様々な挑戦を続けます。

●参戦体制
チーム代表:本井雅人
監督:伊藤奨
ドライバー:井口卓人選手、山内英輝選手、伊藤和広選手、廣田光一選手、花沢雅史選手

Photographs●関 純一、スバルテクニカインターナショナル、カートピア編集室

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